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​過剰整備事例

当社にて平成25年11月に新車で購入されたお客様のお車に左図のようなステッカーが貼られていました。
平成28年3月にLLC(エンジン冷却水)交換がされていますが、この車には長寿命冷却水が採用されており、新車から7年又は7年以内でも走行距離が150000kmに達したら交換すればよいものです。
10Lと書いてあるものはCVTオイル(オートマチックオイル)ですが、通常使用であれば無交換でよいものです。
いずれも車の説明書に記載されており、プロのメカニックであれば整備をする前に確認をするべきことです。
ちなみにステッカーによると交換時の走行距離は約13000km。
が、このお客様は「秋の車検が安くなる」と勧められて総額約6万円を支払い交換してしまいました。
しかし、当然ながら車検整備時において交換するものではないので安くなることなく車検代は総額で約6万円強の支払いとなりました。
交換作業をした店舗に問い合わせたところ、「お客様に交換の必要性をきちんと説明して納得いただいた」「社内規定に沿った交換サイクルで過剰整備ではない」との返答をいただきました。
確かに新しくした方が良いのは分かります。
揚げ物でも1個揚げたら、油を捨て次はまた新しい油で揚げる方のが良いに決まっています。
しかし油にしても車の部品にしてもある程度使用しても支障がない範囲というものがあります。
スズキのメーカーに問い合わせたところ、通常使用であればやはり説明書に記載されている交換サイクルで問題はないとのこと。
そしてこのお客様はこの部品の交換サイクルについて全く知りませんでした。
消費者契約法においては「事業者の説明により顧客が誤解・困惑した契約」は解約できるとあります。
また、事業者は「顧客が契約内容を理解できるよう正確かつ分かりやすく説明する」と共に、「顧客が不利益になる場合はそれを伝えなければならない」とされています。
このことを踏まえ再度問い合わせたところ、非を認め不必要な交換部品については返金してもらいました。
残念ながら利益至上主義や知識のないお店があるのは事実で、特に女性の方が不必要な部品交換の勧誘を受けるケースが多くみられます。
また、下図のようなクーポン券を利用し自ら交換を申し出た場合は自己責任となるので、あわせてご注意下さい。

※この記事は平成28年のものとなります。
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