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過剰整備例 2
ガソリンスタンドによる過剰整備事例は他にもあります。
左図の画像の真ん中に白っぽいパイプがありますが、これはエンジンから車の下を通ってマフラーへとつながる排気管です。
エンジン内で燃焼してできた排気ガスを車両後部で放出する為のものです。
白っぽいのはガソリンスタンドで「下回りメンテナンス」と称してサビ防止のコーティングをおこなったからです。
ブレーキキャリパという部品にも一部コーティングしてありましたが、おそらく認証工場ではなかったらしくキャリパを分解しないでコーティングした為、見えるところだけのコーティングというとてもお客様から料金をいただくとは思えない中途半端な作業内容でした。
下図の画像は当社に展示してある平成三年式の車両のマフラーになります。
現在マフラーに使用されている軽量で錆びにくいステンレススチール製と違い、昔ながらのスチールマフラーで多少のサビはありますが、二十数年経っても外部の腐食などはありません。
豪雪地帯など凍結防止剤が撒かれる地域ならいざ知らず、南関東において排気管及びマフラーが外側から腐食した事例を整備士歴約二十年になる私は見たことがありません。
ブレーキキャリパにおいても、格安車検を続け長年ブレーキオイル交換をせず内部固着してしまうケースはたまに目にしますが、外部からの腐食は目にしたことがありません。
ガソリンがエンジン内において完全燃焼すると水と二酸化炭素になり排出されます。
エンジンを始動させてから5分・10分でエンジンを停止させる近距離走行を繰り返すと排気管及びマフラーが十分温まらず、水が溜まり硫黄分との化学反応により内部から腐食が始まるのです。
一番下の画像はやはりマフラーコーティングをおこなった車両(平成30年3月撮影)ですが、平成25年式で走行距離が1600km程度ですがわずか数年でコーティングが剥げ落ちています。
コーティング事体がまったくの無駄とはいいませんが、費用対効果を考えると当社ではお客様に勧めることはできません。
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