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ここではよく目にする「月々1万円で新車に乗れる」プランなどに代表される残価設定クレジットについてご説明をいたします。
月々の支払いが安いとうたっている「マイカーリース」なども基本的には同じシステムです。
各社いろいろなシステムがありますが、基本は5年後に車を手放すことが大前提となっています。
例えば、新車で200万円する車の5年後の価値を50万円(
残価)と仮定して、残りの150万円でローンを組む感じです。
200万円でローンを組むのと150万円でローンを組むのでは、月々の支払は150万円で組む方が安くなりますよね?
また、残価設定の場合通常ローンより低金利(概ね1.9~3%ほど)となります。
5年後以降も同じ車に乗り続けることはできますが、その時には新車を通常購入した時とほとんどかわらない金額を5年間支払ってきたうえ、最後の支払時に残価50万円を一括ないし分割で支払うわなければなりません。
分割を選んだ場合、これまでの残価設定用の低金利ではなく通常ローンの4~7%程度の金利となります。
100万円を銀行に預けても数円にしかならない時代に、金利手数料だけで総額10数万円以上支払うことになります。
残価設定で新しい車に乗り換えた場合は残価の支払はありませんが、5年間また月々の支払があり、残価設定を続けると10年経っても20年経っても月々の支払が続くこととなります。
そして「マイカーリース」プランはボーナス払いがあるので、年2回約10万円を支払わなくてはいけません。
ボーナス払い無しも選択できますが、その場合軽自動車で月々の支払は約2.5万円になります。
こうなると普通にローンを組んで新車を購入するのと月々の支払額は変わらなくなります。
ただし、「マイカーリース」プランには法定点検や車検代(税金・保険代除)・オイル代や毎年の自動車税なども含まれている場合が多い為、車関係の支払が任意保険代とガソリン代以外月々1万円となっているので毎月の負担が少なくて済むメリットがあります。
ですから、
車以外に月々の支払が多い方・5年ごとに新型車に乗り換えたい方。
に一番お勧めのプランといえるでしょう。
しかし、「残価設定」「マイカーリース」共に中途解約ができないうえに、あくまで借り物の為5年後に車を原状回復したうえで返却することが前提ですので、車に凹みやキズがあれば50万円と設定した価値以下になるのでそれに伴う支払いが生じますし(喫煙者の方やペットを搭乗される方は特に注意が必要です。タバコの臭いやヤニ・ペットの臭いや毛はクリーニングでも落ちにくい為大幅減点となります)、もし途中で全損事故で廃車になったり、盗難された場合はローンのみが残ることになります。(違約金と残りのローン/残価を一括返済すれば中途解約でます)
ご自身が無事故無違反の優良ドライバーであっても、ご家族の方はどうでしょうか?
また、公道においては他の車も走行している為、自身に過失がなくとも事故に巻き込まれるケース(代表例が追突事故)もかなりあります。
「マイカーリース」の場合、半年ごとのオイル交換や法定点検料も含まれてますが、年間走行距離の少ない方にはあまり大きなメリットとは言えない
(詳しくは 整備⇒詳細をクリック)ですし、逆に年間走行距離が多い方には、返却時に走行距離が6万キロを超えると別料金が発生したりもします。
点検料金などが含まれていない「残価設定」の場合、『ディーラーにとってお得な』メンテナンスパックを勧められますが、やはり年間走行距離が少ない方には整備士からみるとメリットとは言えないと思います。
ディーラーによっては残価設定クレジットを選択した場合、メンテナンスパック加入を義務づけているところもあるようです。
ここまではお客さまのメリット・デメリットをご説明してまいりましたが、実は残価設定クレジットやリースで一番利益があるのは売る側なのです。
みなさんは残価設定がなぜ通常より金利を安く設定してると思いますか?
ディーラーは台数を売ってなんぼの会社です。
前の月に在庫が残っても毎月メーカーから何十台と仕入れなければいけません。(売れようが売れまいがメーカーからのノルマがあるのです。)
メーカーも生産工場や下請け・孫請け企業の従業員を遊ばせる訳にはいかないので、ディーラーで売れていなくともある程度の台数を生産しなければならないのです。
その為、メーカーとディーラーが手を組んで、販売台数をある程度計算できる残価設定クレジットというものを考えたのです。
まずディーラーにとって一番のメリットにあげられるのが、通常販売と違い値引き交渉がなく商談にかける時間が短くて済むことです。
商談時間が少ないと多くのお客様と商談ができ、自ずと販売台数を増やすことができます。
また、お客様の負担金額が『少なく見える』ので営業マンにとってとても売りやすい商品の為お勧めしやすいのです。
一部の営業成績のよい営業マンであれば、知識・商談力があるのであまり関係ありませんが、大多数の普通の営業マンにとって『安さ』が商談時において一番の武器になるからです。
よく通常購入と残価設定やリースでの購入差額表をネットなどで見受けますが、新車の通常購入の場合の大抵は値引きなしの純粋な見積もりの金額となっています。
その値引きなしの金額でローンを組んだ場合と比較してこんなにお安くてお得ですよと宣伝しているのです。
また、同じ金額で販売しても現金購入されてしまうと金利手数料が会社に入ってこないのです。
残価設定クレジットの場合通常ローンより低金利となっていますが、2%の金利でも150万円を3年間36回払いだと約5万円・60回だと約8万円・84回だと約10万円もの利息を支払うのです。
そして、車の使用平均年数が9年~11年と非常に長くなってきた現在において、残価設定で購入されたりリースで借りたお客様はわずか数年でまた新車を購入(残価設定やリースにて)していただける可能性が非常に高くなる為、ディーラーやリース会社にとってまさに神様にみえるからです。
さらにメンテナンスパックに加入していた車は定期点検・整備を実施している優良中古車として高く転売ができるのです。
年間走行距離が少ない方がメンテナンスパックに加入するということは、『ディーラーやリース会社が次に高く転売できるようにする為にお客様が整備代金を支払っている』ことになるのです。
このように「マイカーリース」「残価設定クレジット」プランにはメリットとデメリットがありますし、けっして誰に対しても安くてお得なものという訳ではないので、お客様ご自身のライフプランに合うものかをよくご検討した上でお選びください。
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